消火用水主管網の見直し検討

石災法告示により、古い既設の消火用水主管網や消火ポンプの見直しが必要となりましたが、この機会に関連図面の更新を含めた、消火用水主管網の総合的な見直し検討を推奨します。 
弊社は複数の消火ポンプと性能曲線の入力ができる、Sunrise社の管網計算プログラム(PIPE-NET)を使用して計算します。

  • 図面の未整理・未更新  →  消火用水主管網の全体配置図の作成又は更新

    • 設置時から長時間経過
    • 配管延長・増設時の未更新

  • 消火ポンプの増設 →  消火ポンプ並行運転時の問題点の有無の確認

    • 次のようなケースでは問題になる事が有ります。
      • ポンプの揚程が大きく異なる複数のポンプが同時起動して消火用水を供給するシステムの場合。
      • ポンプの揚程がほとんど同じでも、竪型ポンプと横型ポンプが同時起動した時、各々の性能曲線が大きく異なった場合。
    • その場合、次のような問題が発生する事があります。
      • 揚程の大きい一つのポンプに負荷が集中し、定格ポンプ容量の150%以上となり駆動機能力をオーバーしてしまう。
      • 揚程の小さいポンプは締切運転となってしまう。

  • 消火用水主管網の経年劣化 → 圧力損失計算と対策

既設配管の腐食による内面の粗滑度の大小により圧力損失が左右されますが、基本的には圧力損失を実測して粗滑度に対応するハーゼン・ウィリアム式のC値を求める事になります。NFPAのデータによりC値の経年変化を推定する事も可能です。また減肉により内径も変化しますので、その影響も考慮する必要があります。

経年劣化 → 配管内面の腐食 → 配管内面の粗滑度 大 → ハーゼン・ウィリアム式のC値が小さくなる → 圧力損失が大きくなる
 

石災法の規定により、一部、配管が使用できない状態でもブロックバルブの開閉により給水を維持する必要があるので、その場合の圧損計算も必要です。従って、経年変化に伴う経年劣化対策の際には単なる圧損計算だけではなく、適切且つ総合的に安価なブロックバルブの持ち方、消火ポンプのパラランに伴う問題点の解決、配管の耐圧問題の対策など総合的に検討する必要があります。

弊社は総合的な見直し検討業務を受託しております。

 

 具体的な業務実施例 

弊社は下記のように、総合的な見直し検討業務を実施いたします。 

  1. 既設の図面や現地調査によりブロックバルブを含めた消火用水主管網の全体配置図を作成、又は更新



  2. ハーゼン・ウィリアムの式(圧力損失計算式)のC値の設定

    • 経年変化に伴うC値の推定
    • ピグクリーニング後のC値の推定

  3. 各火災エリアの所要流量、必要圧力に基づいた消火配管管網計算の実施

    • クリーニング前、改造前の管網
    • ピグクリーニング後、改造前の管網
    • ピグクリーニング後、改造後の管網
    • 石災法の要求により、一箇所破断があった時の管網計算

  4. 消火ポンプ並行運転の検討

    • 上記管網計算に必要な複数の消火ポンプを連結し、各々のポンプの負荷率を計算
    • 特定の消火ポンプに150%以上の負荷がかかっている時、制限オリフィス挿入による管網の再計算

  5. 検討結果のまとめ


     

  6. 消火用水主管網の改造案作成

    • ピグクリーニングによる配管内面の粗滑度の改善
    • ブロックバルブの追加により、配管損傷時の回避ルート確保
    • 一部配管のサイズアップ
    • 配管ルートの一部追加
    • 消火ポンプ並行運転の問題対策
      • -消火ポンプ吐出に制限オリフィスを設ける
      • -消火ポンプ吐出圧力制御弁の設置