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石油化学プラントなど危険物を取り扱う施設には火災、ガス拡散、及び爆発の災害リスクが潜んでいます。このうち爆発についてはその発生原因や状況により以下の災害に分類され、それぞれシミュレーションの方法も異なります。弊社のプログラムはそのすべてに対応しています。
爆発に関しては様々なシミュレーション方法が紹介されていますが、最も実用的な方法として、弊社のプログラムはコンビナートの防災アセスメント指針(以下、コンビ指針)に基づく方法を主に採用しています。なお、弊社のプログラムは屋外の開放空間で発生する災害を対象とするもので、屋内における爆発等については数値解析手法でシミュレートします。
爆発災害シミュレーションを実施する際に注意すべきは、例えば爆発はいきなり突然爆発するのではなく、その前に漏洩があり、ガス拡散があり、場合によってはフラッシュファイアがあり、防液堤火災があって、その後BLEVEが発生するなど一連の災害の流れがあるという事です。BLEVEによる圧力波は容器の空間容積が大きいほど大きくなるが、BLEVE発生前に容器の圧力上昇により安全弁が噴出し、液の漏洩量も上昇し、空間容積が増々大きくなります。このような変化を計算してシミュレーションに反映させる必要があります。弊社では漏洩・蒸発などの初期事象から、ガス拡散・火災・爆発までの一連の流れについて一貫した災害シミュレーションを実施し、全体としての影響度評価を行っています。東南海地震などの大規模地震対策の流れの中で、このような一連の災害シナリオに基づく影響度評価は、今後重要になってきます。
爆発シミュレーションのカタログは、こちらからご覧いただけます。
コンビ指針に基づき、下記2式にの何れかににより容器破裂前後の圧力の違いから放出エネルギーを計算し、TNT火薬当量に基づいて圧力波の到達範囲を計算します。
容器の破裂による飛散物(飛散破片)の到達距離はBLEVE発生時の容器に残っていた貯蔵液体量のべき乗に比例し、AiChE (American Institute of Chemical Engineers) の簡易式で計算する。
尚、BLEVEはLPGなど可燃性液体にのみ起こるわけではなく、二酸化炭素の液体貯蔵容器の破裂などでも起こります。
コンビ指針に東日本大震災の時に起こった災害事例の詳細があるので参照されたい。海外での事故報告は多数あり、そのうちの2事例を紹介する。
コンビ指針に基づき、ファイアボールの直径、中心高さ、継続時間及び周辺に及ぼす輻射強度を計算します。ファイアボールの大きさはガス量が大きいほど大きくなりますが、容器破裂時にフラッシュするガス量の3倍をファイアボール生成に貢献するガス量としています。 ファイアボールの直径、中心高さ、継続時間は次のいずれかの方法で計算します。
輻射熱の計算方法は次のいずれかとしています。
コンビ指針に東日本大震災の時に起こった災害事例などがあるので参照されたい。海外での事故報告は多数あり、BLEVEで紹介したSan Juan Ixhuatepec, Mexico City, 1984/11/19もその一つである。更にもう一件下記紹介する。
VCEは、爆発によって押されたガス雲が狭い空間を通過することによって乱流が引き起こされて発生するものであり、開けた場所では一般的には起こる可能性は大きくありません。 但し、ものすごく大きなジェット噴流のケースでは発生する場合もあり得ます。また、漏洩後どれくらいの時間が経ってから着火・爆発に至ったかによって影響範囲が全く異なるため、簡単ではありません。弊社のプログラムはコンビ指針に基づいたTNT当価法を採用しています。高圧ガス保安法によるK値を使用した計算方法に加えて、フラッシュ率や物性から距離や圧力波を直接求める計算方法でもシミュレーションできます。
コンビ指針に災害事例の詳細があるので参照されたい。海外での事故報告は多数あり、そのうちの2事例を紹介する。
圧力波マップなどBLEVEの場合とほぼ同様です。但し破片の最大飛散距離はVCEの場合は対象外です。
弊社のガス拡散プログラムにより爆発下限界以上の濃度(安全を見て通常は爆発下限界の50%濃度を基準とします)空間をシミュレートし、3D濃度マップを作成します。この空間内に在る人や財産は非常に大きなダメージを受ける可能性があります。フラッシュファイアは瞬時に終わり、漏洩源に火が戻り、ジェットファイアや防液堤火災に繋がっていくことになります。
海外での事故報告は多数あり、そのうちの2事例を紹介する。
プロパン球形タンクから漏洩し防液堤からプロパンガスが敷地境界外に拡散したケース
ガス拡散シミュレーションの結果、濃度範囲が爆発下限界(LEL)濃度の50%以上となる範囲を、フラッシュファイア発生範囲として図示したものです。AutoCADの三次元レイアウトやマップ上にフラッシュファイア発生範囲(下図の赤色範囲)を表示するので、建物などの危険範囲を高さ方向を含めて容易に判別可能です。