ホースを使用した油輸送システム
東南海地震が心配される中、地震発生直後の燃料供給の継続が重要視されています。このBCPの観点から、短時間で燃料供給が再開できるよう製油所等に求められています。耐震補強やプレファブ配管の整備など既に完了済みと思われますが、地震で燃料配管などが損傷した場合に、これら準備された鋼管を使った場合でも、応急措置に数週間要すると思われます。しかし、弊社が提案するホースを使用した燃料移送システムを使えば、早ければ1日以内に燃料供給が再開できます。
油の輸送に使われるホースは、一般的に国内では、硬く、外周にワイヤーが巻かれた保型ホースが使われています。この保形ホースでは、長い1本のホースをする場合はホースリーラー自体が巨大になり、短いホースを繋ぎ合わせて使用する場合は大変な労力と時間が必要となる為、燃料油を長距離移送する事は非常に困難になります。
弊社で取り扱っているケミコイルホース或いはオフショアーホースなど油輸送用ホースを使うことで、燃料油を容易に、大量に、遠くまで送ることが可能となります。
また、燃料タンクヤードでは極普通に設備されているピグシステムを、ホースにも適用できるシステムができました。この燃料移送ホースピグシステムにより、ガソリン、灯油、軽油、重油など1本のホースで途中開放することなく連続して多種の燃料を移送できることになりました。
ホース及びホースリール
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油輸送用のケミコイル/オフショアホースは、静電気防止ワイヤーが編み込まれており、カップリング同士を接続することで安全に送油ができます。
ケミコイル/オフショアホースの詳細はこちら。 - オフショアホースは海上に浮くので、船から、或いは船への燃料移送の際にホースの引き回しが容易です。
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非加圧時にはフラットとなるので、ホースリールにより容易に展張・回収・収納作業が可能です。
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各種接続金具に対応できます。フランジによる接続も可能であり接続時にホースを捩じらなくて済むようにフランジが自由に回る接手を取り付けることができます。
燃料移送ホースピグシステム
燃料移送用ホースピグシステムはピグランチャーとピグレシーバーから構成されます。
このシステムは次のような操作をするときに使用します。
- 最初に燃料Bを移送していたが、燃料Aの移送に切り替える場合
- 燃料の移送が終わりホース内に溜まった油を最後まで払い出して、海水などできれいにする場合
- 燃料の移送が終わりホース内に溜まった油をN2ガスで最後まで払い出す場合
システムの構成
- システムの構成を下図に示す。
- 可搬式ピグランチャー及びピグレシーバー
ピグ
海外での実績
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リベリア モンロビア港
船舶から800m離れた場所に、6インチ口径のオフショアホースを使い、8,000L/minの流量で、1ヶ月に2回、合計25,000トンの燃料を送油しています。
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オフショアホースとピグシステムを併用したシステムは、他にも、ポーランド海軍へ 20 基、その他セントヘレナ島、ナラウ島、イギリスの南極基地へ同様のシステムの納入があります。
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ケミコイルホースを使用したシステムは、イギリス・アメリカ・オーストラリア・ドイツ・カナダ・エジプトなどの軍隊に多数の納入実績があります。