輻射熱(タンク火災・漏洩火災)

弊社では危険物や液化ガスの火災が周囲に及ぼす輻射強度を計算し、二次元及び三次元マップ上に表示するシミュレーションプログラムを開発しました。このプログラムは NFPA Handbookに記載されているMudan 法での計算を採用しているが下図に示す他の方法でも計算できるようになっています。
NISTIR6546以外の方法では輻射発散度が炎の高さ全体の平均値としているが,油面に近い下部は赤々と燃え、その上は煙が多く時々赤い炎がチラチク程度になっているのが実際の炎の状態である。NISTIR6546ではこの明るい部分をLuminous Bandと呼び,そこの輻射発散度は油の種類にかかわらずほぼ100[Kw/m2]とし,その部分の高さを算出する式を示している。タンク直径の数倍離れた所の輻射強度は平均輻射発散度を用いた方法でも問題ないだろうがタンクに近い所ではLuminous Bandの考え方が実際に即しているのではないかと考えられる。

 

直径82mのガソリンタンク及びA重油タンクの火災ケースについて、各々の方法で計算した結果を下図に示す。
横軸はタンク中心からの距離をタンク直径の倍数で表したもの。

 

 

  実施例 

 

タンク火災

直径72mの原油タンク火災のケース

受熱面は最大受熱面角度としています。むろん水平又は垂直受熱面の輻射強度も可能です。右図は2つの受熱面高さにおける輻射強度マップを表示しています。輻射強度の単位は「kcal/m2/h」又は「kw/m2」のどちらでも出力できます。

地上高さ1.5mの輻射強度

 

地上高さ1.5m及び22m(タンク高さ)の輻射強度

 

プロセスエリア火災

漏油プール火災のケース

下図はプロセスエリアのコンクリート床上に、10mx10mの軽油のプールを作り、それが火災になった時の輻射熱マップを表示したものです。
漏油プールは任意の場所に任意の大きさで配置可能です。受熱面高さも自由に変えられるので強い輻射熱を受ける機器の特定も可能であり、冷却散水の必要性も確認できます。

 

三次元輻射強度

弊社の輻射熱シミュレーションプログラムは、任意の高さ2点のみではなく、細かく受熱面高さを変えて同一レベルの輻射強度を同心円状に出すことが出来ます。
下図は風の影響で炎が傾いているタンク火災のケースです。風下では、地上付近での輻射強度が大きくなっていますが、タンクよりも高い位置での受熱強度は、むしろ風上のほうが大きくなっていることがわかります。風上にあるタンクの上部は予想外に強い輻射熱を受け、そこで蒸発した可燃性ガスが風下の火災に流れて引火延焼の危険性があります。風上タンクの冷却散水の必要性も検討することを推奨します。


上図を真横からみた図です。