水/泡放射シミュレーション

水ノズルからの水の放射軌跡と、泡ノズルからの泡の放射軌跡をシミュレートするために開発しました。特に水放射の場合は、棒状放水ばかりでなく任意のスプレー角度での放射軌跡もシミュレートできます。これらの水/泡放射シミュレーションソフトを用いることにより、有風下での火災時における化学消防車、はしご車、放水銃、放水砲、泡モニター等の適切な配置を検討できます。

 

シミュレーションを体感できます

本シミュレーションの無償ビューワー(FMビューワー)を提供しております。別途ご用意しているシミュレーション結果のサンプルを用いることで、シミュレーションを実際に体感いただけます。
詳しくは、無償FMビューワーおよび無償FMビューワーダウンロードのページをご確認ください。

さらに、FMビューワーのデモ動画をご用意しました。
映像を通じて、本シミュレーションプログラムの内容、FMビューワーの機能、操作性、表現性など、具体的にイメージしていただけますので、まずはご覧ください。

 

 水放射 

水ノズルのタイプによって放射軌跡は異なります。弊社のプログラムはノズルメーカーの放射軌跡データ2点以上で弊社プログラム特有の特性ファクターを決めて、そのノズルに即した飛行軌跡が再現できるようになっています。下記、各種ノズルに対応できますがフラット放水ノズルには対応していません。

  1. 対応ノズル
    • 可変式放水ノズル
      可搬式ノズル、放水銃、放水砲、消防車積載の放水砲、高所放水車など
    • ジェットノズル
      可搬式ノズルなど
    • 水幕ノズル
      真上に高圧で放水し水幕を形成するタイプなど
    • スプレーノズル
      様々な種類に対応可能。真上、真横、真下に限らず任意の角度で放射パターンがシミュレートできます。
      有風時などスプレーシステムの防護が十分か否かチェックできます。
    • スプリンクラーノズル
      通常は真上、真下方向に放射した場合の軌跡をシミュレートし防護範囲を確認します。
  2. 放水パターン
    ジェット放水だけでなく任意のスプレー角度での放射軌跡をシミュレートできます。
  3. 風の影響
    追い風や向かい風に限らず、任意の角度で吹いてくる風の影響を反映した放射軌跡をシミュレートできます。
  4. 放水方向
    任意の角度での放水をシミュレートできます。水幕ノズルの場合は真上に放水して到達可能な高さ=水幕高さを検討できます。
  5. 表示
    プラントレイアウトや地図などのAutoCAD図の上に放射軌跡を表示します。通常は三次元表示ですが、むろん二次元表示も可能です。


 実施例-1 

スプレー角度も0°~120°まで、自由に設定することができます。
図1-1は固定式放水砲からスプレー角度を変えて放水した場合の放射状態を示しており、右からゼロ度、30度、60度、90度、120度のスプレー角度としてシミュレートしたものです。
図1-2はストラクチャー上の機器に放水した例ですが、30度のスプレー角度にしているので風の影響を強く受け、逆風の放水は近くまでしか飛ばないが、追い風側の放水は十分に飛距離が出ているので、総体的には有風下でも十分カバーできている事が分かります。

図1-1;固定式放水銃からスプレー角度を変えて放水

 

図1-2;風上と風下にある放水銃から同時に放水


 実施例-2 

図2-1はトランス火災の時の消火活動ですが、右側の消防車からは泡放射している状況です。
図2-2のように様々な三次元下絵(レイアウトなど)を使う事により、状況に応じた様々な放水活動を検討することが出来ます。
 

図2-1;発電所のトランスに消防車(はしご車)から放水

 

図2-2;コンテナ船に消防艇から放水


 実施例-3 

図3-1は竪型ドラムのスプレーシステムによる散水の例ですが、AutoCADの3D図で作図されており、水噴霧の中に入っていけますのでドライスポットの有無を確認できます。
図3-2はLNGタンク火災時、隣接タンクを防液堤上に設置された水幕設備により適切に防護できるかチェックする事を目的にシミュレートしたものです。
図3-3はタンクと冷水塔間の距離が近い為、水幕設備にて冷水塔を防護したものです。水幕の高さ、厚さなど十分か否かチェックできます。

図3-1;水噴霧ノズルの3次元配置

図3-2;タンク間の水幕設備

 

図3-3;タンク火災時の輻射受熱強度から冷水塔の保護

 
 泡放射 

泡ノズルのタイプによって放射軌跡は異なります。弊社のプログラムはノズルメーカーの放射軌跡データ2点以上で弊社プログラム特有の特性ファクターを決めて、そのノズルに即した飛行軌跡が再現できるようになっています。

  1. 対応ノズル
    • アスピレーターノズル
      ノズル元で空気を吸い込み発砲して約7倍の体積(発泡倍率)の泡になって飛んでいくノズルです。
      可搬式泡ノズル、泡放射砲、消防車積載の泡モニター、はしご車の泡モニターなど。
    • ノンアスピレーターノズル
      ノズルからは泡の水溶液で放射され、飛びながら空気を吸い込み次第に体積が大きくなって泡になるノズルで、発泡倍率は低く2から3程度です。
      可搬式泡ノズル、泡放射砲、消防車積載の泡モニター、はしご車の泡モニターなど。
  2. 発泡倍率
    アスピレーターノズルの場合は飛行中に発泡倍率は変わらないので一定ですが、ノンアスピレーターノズルの場合は、滞空時間によって発泡倍率が変化するので、着地した時の発砲倍率を計算します。
  3. 放水パターン
    棒状放射のみに対応しています
  4. 風の影響
    追い風や向かい風に限らず、任意の角度で吹いてくる風の影響を反映した放射軌跡をシミュレートできます。
  5. 放射方向
    任意の角度での放射をシミュレートできます。
  6. 表示
    プラントレイアウトや地図などのAutoCAD図の上に放射軌跡を表示します。通常は三次元表示ですが、むろん二次元表示も可能です。


 実施例-1 

下左図はプロセスエリア火災時にコンプレッサーシェルター越しに消防車から泡を放射している例です。
下右図のタンク上の黒い円筒は、火災による上昇気流の大きい部分を表しており、泡の放射はこの部分を避けてタンク内に入るようにしなければなりません。うまく入ると泡放射の色が黄金色になります。

 

プロセスエリア火災時に消防車から泡放射

 

タンク火災に消防車から泡放射


 実施例-2 

下図はパイプラック越しに大容量泡放射砲から泡をタンクに向けて放射している例です。
上図と同様、タンク上の黒い円筒は、火災による上昇気流の大きい部分を表しています。右図はパイプラックのところの拡大図です。このように下絵にこのような放射障害になりそうな構造物を予め三次元レイアウトに表示しておく必要があります。

 

大容量泡放射モニターによるタンク火災への泡放射

 

 

泡放射障害物の確認