津波対策消火ポンプなど高所設置海水取水ポンプシステム

英国アンガス社は自社製のウェルマスターホースを利用した、船舶に搭載する消火ポンプシステムの納入実績を有しております。
このシステムは下記のユニットで構成されているものです。

  • 水中ポンプ
  • ウェルマスターホース
  • 水中ポンプを吊り下げるためのウィンチとフレーム
  • ホース・電動ケーブルのリーラー
  • 油圧駆動システム

船内設置の消火ポンプが火災で運悪く使用不可になったときの対策として甲板上に設けられたものですが、このシステムは陸上でも海面から高い所に設置された設備で海水を取水する必要があるケースでも応用できます。
海水の取水用としてはポンプ設置面と海面の高さの差が7m以上になると実質上、縦型ポンプでも不可能に近くなります。しかし水中ポンプを使用すれば高さの差がいかに大きくても取水が可能です。その時の問題は水中ポンプの吊り下げと、万が一吊り下げロープが切れても十分吊り下げ荷重に耐えるホースの必要性であり、アンガスのシステムはその問題を解決しています。
ウェルマスターホースを使用することで、水中ポンプをホース自体で吊り下げることが可能です。
水中ポンプを海面下に降ろすことで、サクション高さや海面の荒れを気にせず、船上や岸壁での取水が可能となる画期的なシステムと言えます。
応用例として次のようなケースを推奨します。
津波が襲ってきたときに常設のポンプが被害を受け使用不可になることが考えられます。
その非常時対策として津波の届かない高さの構造物を岸壁に設置し、その構造物上にこのシステムと非常用発電機を設置するケースです。




船舶に設置したケース(アンガス社)

 



なお、このウィンチによる吊り下げシステムは、海外ではこれ以外にも様々な用途での実績があります。
下の写真は実際に使われているものです。